陸の孤島からひらかれた場所へ - ストリートビューが仏教王国を広く世界に伝える

ブータンの美しい風景をデジタルマップで紹介する

ストリートビューの企画が始まる前のブータンには、同国を訪れたいと思っている人々とつながるための技術的専門知識や装備がなく、観光客が旅行の計画を立てることも容易ではありませんでした。今では、仏教の巡礼者から観光客まで誰でも、要塞に囲まれたティンプーの僧院や昔と変わらないプナカの村々をバーチャルで訪れることができます。

この企画は、ブータンを世界に発信するという政府の計画のマイルストーンになるとともに、来るべき ICT 活用型社会に向けた同国のデジタル化推進の取り組みを一歩前進させました。

世界にひらかれたブータンの道

ストリートビューのスマート ナビゲーションによって、旅行者は世界中のさまざまな観光スポットを自由に選んで訪問できるようになりました。リアルタイムの 360° 映像や臨場感のあるバーチャル ツアーにより、訪問者は旅行に期待を膨らませ、思い思いに探索を進めることができます。

ストリートビューに 500 件の新しいビジネスが追加され、ブータンの地図上で 4,000 件もの情報が更新されたことにより、リアルタイムの交通情報やルート候補の表示、充実したローカル ビジネス情報など、住民もメリットを享受できるようになりました。

ストリートビューがもたらす未来

今回のブータン政府のストリートビュー企画は、世界に向けての発信だけでなく、開発プロジェクトの計画策定にも非常に役立ちました。何世紀にもわたり秘境とされてきた地域を撮影したことが、ブータンが遺産保全戦略を始めるきっかけとなりました。ストリートビューのデータを通じて、道路の状態を調べ、必要に応じて改修することもできます。

これからも多くの訪問者が、ブータンの秘められた宝を発見していくことでしょう。今回対象となったのはわずか 20 の町で、同国内にはまだ 38,394 平方キロメートルの土地が残されています。また、新たなインフラ整備に伴って地図の定期的な更新も予定されています。このストリートビューの企画はまだ始まったばかりです。

ストリートビューは、小さな世界を大きく羽ばたかせる力を持っています。秘境の地を臨場感あふれる画像を通して世界に発信することで、その国の進路に変革をもたらしたり、発展において重要な役割を果たす可能性もあるのです。